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鰻とずわい蟹

明日は土用の丑の日。

先日、少し早いけれど
土用入りしてるから…と鰻をおねだりした。

彼の家から基地に来る途中にある
鰻屋さんのお持ち帰りをリクエストした。

ところが彼が買ってきてくれたのは、
ずわい蟹の脚の天麩羅が2本と
鰻の半身が入った豪華なお重。

彼の家からは
車で1時間はかかるであろう街にある、
かに専門店のお持ち帰りだった。

「えーっ!どうしたの?
こんなに豪華なお重。
わざわざ買いに行ってくれたの?」

「うん。ビックリさせようと思って。
それに最近蟹食べてないって言ってたから、
食べさせてあげたいなって…」

何気なく言ったことを聞き逃さない。
いつも私を喜ばせたいとしてくれる彼。

嬉しかった。

国産の鰻だけでもお高いのに、
ずわい蟹の立派なかに脚の天麩羅付き。

とても美味しくて、
食べながらずっと
美味しい、嬉しい、幸せ、
ありがとうと繰り返す私を
彼はニコニコ見ていた。

この夏を元気に乗り切れそう。

ありがとう。
あなたの愛情、いっぱい感じたよ。



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今回のお泊り、
彼は珍しく夕方から基地に入れた。

私は体調も良く、
彼と長く一緒にいられるのが嬉しくて
気分も上がり、彼にベタベタ甘えた。

ぐったりだるそうにしていない私を
彼に見せられるのは久しぶりで、
いつもこうだったらいいのにと思ったのは、
私より彼の方かもしれない。
彼もずっと笑顔だった。

この日彼は
以前私が誕生日プレゼントに贈った
“黒佐藤”を開けた。
実に2年越し。

「なんだかもったいなくて
開けられなかったんだよなぁ。」

と彼は言った。

「いい香りだなぁ。それに飲みやすい。」

「本当?良かったぁ。
今年プレゼントした“百年の孤独”は
いつ開けてもらえるのかなぁ(笑)」

「そんなに焦らなくて大丈夫。
ビールと違って
焼酎は直ぐに飲めなくならないから。」

彼に贈るお酒はいつもネットで調べたりして、
自分なりに厳選しているつもり。
彼が喜んでくれるといいなと思いながら
選ぶのは楽しみでもある。

「でもね、こんなに高価な物は
無理しなくていいんだよ。
ほら、俺は物欲とかないし。」

「うん…でも年イチぐらい何かしたいの。
いつも本当に良くしてもらってるから。」

彼は私の方に向き直り、
優しく目を見つめて言った。

「俺はこうやって、なぎさが隣で
ニコニコ笑っていてくれたら、
それで十分なんだよ。」

言い終わると同時にキスをした。

いつもこんなに
可愛がってくれるあなたを愛してる。

私もあなたがいてくれるだけでいい。

たとえいつも一緒にいられなくても。



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平日に会えなかった週。
日曜日に会いに行くよと彼は言ってくれた。

会う日の朝は
私の体調をLINEで知らせる。

最近は元気100%と言える日は
なかなかなくて、
会えないほど具合が悪くはないけれど…
という感じの日が多い。

もちろん気持ちは彼に会いたい。
いつだって会いたい。
一緒にいたい。

でも彼に本当に大丈夫?と
何度も聞かれたりすると、
だんだん不安になる。

やっぱり会うのは
止めた方がいいのかなぁ…と思ってしまう。
彼への返事もそんな口調になってくると、
彼もトーンダウンしてくる。

なんとなく変な雰囲気になってきて、
このまま会えなかったら、
私スゴく落ち込むだろうなと思った。

最後の最後で会いたいって言えた。

後で彼に

“今日は最初から消極的だったから、
会うの迷ったよ”

と言われた。
素直に言えばいいのに…とも。

でも体調が万全でないと会えないってなると、
会っていいのか自信が持てない。

最近は元気80%もあれば上出来だと思う。
普段の私は60〜70%ぐらい。

彼に悪い気を当てたくないから、
会うときはシャキッとしていたい。
でも気持ちだけでは
どうにもならないときもある。

この日彼は出張帰りで泊まっていった。
彼はそれを当日まで黙っていた。
予定がどうなるかわからなかったからと
言っていたけど、
私を驚かせて
喜ばせようとしてくれたのもあったと思う。
日曜日の夜にお泊りなんて、
そうそうあることではないもの。

それなのに私が会うのを
ためらうような口ぶりだったから、
彼はガッカリしただろうな。

ごめんなさい。



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